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伝統を革新の力に

学校法人 追手門学院
初等中等教育長 浦 光博

初等中等教育長 社会が大きく変わろうとしています。人工知能(AI)の急速な発達とインターネットを通したデータ通信量の爆発的な拡大とが相まって、さまざまな意思決定、仕事が人の手を離れて行われるようになっています。そしてこのような変化は今後ますます加速していき、10年後、20年後の社会がどうなっているのか誰も正確に予測できなくなっています。このような予測困難な未来社会に生きる子どもたちへの教育もまた大きく変わっていくのでしょうか。

 変わっていくだろうし、現に変わり始めているように思えます。プログラミング教育や英語教育の推進、探求型の教育のより積極的な展開など、これまでとは異なる教育のあり方が求められるようになってきています。本学院はこれら新時代の教育を先取りし、先進的な施設設備の中で未来社会に向けた教育に取り組んでいます。

 しかし、そのような変化し続ける社会の中で変わらないものがあります。それは、独立自彊・社会有為という本学院の教育理念です。130年を超える長い歴史を持つ本学院にはこの揺るぎない教育理念があります。そしてそれがあるからこそ、それぞれの時代の要請に柔軟に対応し、教育活動を革新的に実践することができるのです。

 「独立自彊」とは、自分の考えをしっかりと持ち、個性を大切にし、自らの成長に向かって日々、着実に努力することを意味します。そしてもう1つの理念である「社会有為」とは、世のため人のために誠意を持ってつくすことを意味します。社会がどのように変化しようとも、一人の人間としての個性を大切にしつつも独りよがりに陥ることなく、また世のため人のために尽くしつつも大衆におもねることもない、そんな人の育成を目指す本学院の教育は、社会がどのように変わろうとそれぞれの場所で力強く生きていける力を育みます。

 伝統を重んじるからこそ革新的であり得る。本学院の教職員一同は、長い歴史を通して培われてきた伝統の力を革新への原動力とし、未来社会の創造に力を尽くして参ります。